サランラテックス®グレード紹介
高機能PVDC バリアコーティング剤

代表グレードと基本物性
用途に応じてさまざまなグレードを取り揃えています。
詳しくはお問い合わせください。
グレード名 | 固形分(%) | pH | 表面張力 (mN/m) |
粘度 (mPa・s) |
---|---|---|---|---|
L131A | 55 | 3.3 | 31 | 11 |
L140B | 50 | 3.0 | 37 | 8 |
L411A | 49 | 2.2 | 39 | 19 |
L509C | 50 | 3.4 | 37 | 10 |
L536B | 49 | 2.6 | 37 | 12 |
L581A | 48 | 3.4 | 36 | 6 |
- 測定方法 自社法(AK-Sラテックス法)
- 数値は測定の一例であり、保証値ではありません。
- 掲載グレードは予告なしで廃番となる可能性があります。
各グレードの塗膜物性
サランラテックス®を塗工したフィルムの水蒸気透過度、酸素透過度です。
他グレードに関してはお問い合わせください。
グレード名 | 水蒸気透過度 (g/ ㎡・day) |
酸素透過度 (cc/ ㎡・day・atm) |
用途 |
---|---|---|---|
L581A | 3 | 3 | フィルムコート |
L140B | 5 | 8 | バインダーなど |
- 酸素透過度はAK-Sラテックス法(S-079)により測定(23℃、Dry)
- 水蒸気透過度はAK-Sラテックス法(S-059)により測定(40℃、90%RH)
- PVDC層の厚さが3μm になるように換算したもの。
- 水蒸気透過度はONy基材にコートし、酸素透過度はOPP基材にコートしたもので測定。
各グレードのSDS(安全データシート)、詳細な技術資料、
使用方法、法規制、品質保証についての資料をご用意しております。
詳細はお問い合わせください。
使用方法・塗工方法
① サランラテックス®の皮膜について
- サランラテックス®は基材に塗布されると平滑化します。その後、熱風や赤外線ヒーターによって乾燥され、基材表面に連続的なPVDC皮膜を形成します。
- 分散媒として水を使用しているために、多くの熱エネルギーを必要とします。水の蒸発潜熱によりサランラテックス®の温度が上昇しにくいため、熱風温度、湿度、風量、塗布量、塗工スピードを最適化することで、理想的な塗布膜が得られます。
② 前処理について
- プラスチックフィルムにサランラテックス®を塗布する場合、サランラテックス®を塗布する前に基材との接着性を付与するために、コロナ放電処理等の表面処理を行い、アンカーコート剤(AC剤)を使用することがあります。アンカーコート剤はウレタン系が最も適します。
- 塗布、巻き取り後にブロッキングを起こさないために、アンチブロッキング剤を添加する場合があります。アンチブロッキング剤としてシリカなどの無機物やワックスエマルジョンなどの有機物が使用されることが多いです。
③ 塗工方法と注意点
- 塗布装置としてはエアナイフ方式、リバースグラビアコート方式、メイヤーバー方式などがあります。
- ラテックス塗膜の乾燥は皮張り現象を防止するために、乾燥炉の前半部分は温度を低めに後半部分は高めに設定します(例:前半部 100℃ 後半部 110~120℃)
サランラテックス®コーター例

エアナイフコーター

グラビアコーター
④ 塗工後について
- サランラテックス®をコーティングした後に基材がカールすることがあるため、調湿を必要とする場合があります。
サランラテックス®の塗膜物性を
最大限に引き出すために
サランラテックス®の性能を引き出すためには、①サランラテックス®の成膜工程、②サランラテックス®の結晶化工程の二つの工程を重視する必要があります。

①サランラテックス®の成膜工程
ラテックスの液温を保てる、理想的な乾燥炉の熱風(温度・湿度・風量)を選択する必要があります。
②サランラテックス®の結晶化工程
ブロッキングを回避して平滑な塗面を得るために、高い温度で十分、加熱して結晶化速度を高める必要があります。
※成膜温度やエージング*温度が高すぎても低すぎても性能の低下を招きます。
- エージング:40℃48hrなど高温に曝しPVDCポリマーの結晶化を促進する工程
サランラテックス®
取り扱い上の注意
実際にご使用される前には、対象グレードのSDSを必ず参照いただき、保護具の着用、遵守事項を確認の上、取り扱いください。
- サランラテックス®の性質および塗工条件
サランラテックス®はラテックス状態でも、塗膜になってからも樹脂の結晶化度が温度と時間により変化し、コート条件・塗膜物性に非常に大きな影響を及ぼします。そのため、ラテックスの在庫管理、コート条件管理、コート後の塗膜のエージングなどは重要となります。ご使用の際は、事前にご相談ください。 - 貯蔵・保管
皮張り防止のため容器を密閉し、凍結(3℃未満)や30℃を超える高温、日光や蛍光灯などの照明から発せられる紫外線を避け、決められた期限内にご使用ください。
長期保管した場合、あるいは短期間でも高温下で保管した場合には、pHの低下、凝集などの品質の低下を起こすことがあります。詳細はSDSをご確認ください。 - 消費期限
サランラテックス®は消費期限があります。消費期限はグレードごとに違います。事前にご確認ください。 - 移送
サランラテックス®は激しい撹拌や摩擦(渦巻ポンプの羽根やグランドシール)によって凝固することがありますので、重力、空気圧または出来るだけ負荷の少ない送液ポンプなどを利用して移送するようにしてください。 - 泡立ち
サランラテックス®を高所から滴下したり、急激に撹拌したりすると泡を発生します。液出口を極力容器の底に近くし、また器壁に沿わせるようにするなど、配慮をしてください。また泡が完全に消える前に乾くと、粉状の凝集物となり、ラテックス内に混入することがあります。必ずコートパンの前には100μm程度のフィルターの設置をお願いします。 - 容器および塗工機の材質
サランラテックス®は酸性の液体です。ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、あるいはエポキシ樹脂でライニングした銅、FRP、グラスライニング銅、SUS316(ステンレススチール)などを使用してください。また鉄やアルミニウム、銅を使用すると、ラテックスが凝集しますので、ラテックスが接触する配管、ジョイント、タンクなどには決して使用しないようお願いします。 - 用具、装置のクリーニング
サランラテックス®を取り扱った用具、装置などはそのまま放置しておくと、樹脂皮膜を形成して次回の使用に支障が生じますので、使用後は直ちに水洗いしてください。
Resin
サラン®レジンとは
溶剤系PVDC バリアコーティング剤
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を主成分とした粉末状の樹脂です。サラン®レジンを溶剤に溶解し、さまざまな基材に塗布することで、サランラテックス®と同様に優れたバリア性を発揮します。
