サラン®レジン
溶剤系PVDCバリアコーティング剤
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を主成分とした白色粉末状の樹脂です。サラン®レジンを溶剤に溶解し、基材のフィルムなどに塗布することで、サランラテックス®と同様に優れたバリア性を発揮します。また耐水性にも優れているため、セロファンにも使用可能です。

サラン®レジンの特性
サラン®レジンはサランラテックス®同様に、水蒸気バリア性、酸素バリア性などの優れた特性があります。
- 水蒸気バリア性
- 保香性
- 耐水性
- 酸素バリア性
- 耐油・耐薬品性
- ヒートシール性
- 難燃性
サラン®レジンのグレード紹介
グレード | 溶解条件(例) | |
---|---|---|
溶剤組成* | 溶解温度 | |
F310 | MEK | 20〜25℃ |
F216 | THF/TOL=2/1 | 20℃ |
MEK/TOL=2/1 | 70℃ | |
R204 | THF/TOL=2/1 | 50℃ |
- TOL:トルエン
THF:テトラヒドロフラン
MEK:メチルエチルケトン
注)掲載グレードは予告なしで廃番となることがあります。
各グレードのSDS(安全データシート)、詳細な技術資料、
使用方法、法規制、品質保証については
下記よりお問い合わせください。
サラン®レジンの荷姿
グレードに応じて、荷姿が異なります。

フレコンバッグ
- サラン®レジンF216:550㎏
- サラン®レジンR204:600㎏

ファイバードラム
- サラン®レジンF310:90.7㎏
サラン®レジンのフィルムへの塗工について
塗工手順
① サラン®レジンの溶解
- 常温で混合溶剤をかきまぜながら、サラン®レジンを徐々に加えます。加温する場合は、サラン®レジンを常温にて加えたのち、所定の温度まで加温します。
- 添加剤は、サラン®レジンが完全に溶解してから加えます。
② サラン®レジンの塗工、乾燥
- 乾燥条件は、乾燥炉の前半部は温度を低めに、後半部を高めに設定してください。
- 乾燥時間は、フィルム中に極力溶剤が残留しないよう調整してください。
③ 巻き取り
- フィルムの巻き取り圧が高すぎると、ブロッキングを起こす恐れがありますので、十分注意してください。
④ エージング
- バリア性、耐溶剤性等が必要とされる用途の場合、塗工後必ずエージング処理を行ってください。エージングを行うことにより、所定の物性を発揮いたします。
- 通常のエージング条件は、40℃で1~2日間です。
- (F310は非晶性グレードのため、エージング不要です)
⑤ 添加剤について
- 通常は、サラン®レジン溶液中に、フィルムのブロッキングを防止するための滑り剤や基材との接着性を付与するための接着剤を添加いたします。詳細についてはお問い合わせください。
サラン®レジン取り扱い上の注意
実際にご使用される前には、対象グレードのSDSを必ず参照いただき、保護具の着用、遵守事項を確認の上、取扱いください。
- 貯蔵・保管
日光や蛍光灯などの照明から発せられる紫外線を避け、30℃以下の温度で保管してください。常温では非常にゆっくりとですが、分解して塩化水素ガスが発生します。塩化水素ガスの発生は温度が上昇するほど顕著となり、着色の原因となることがあります。詳細はSDSをご確認ください。 - 取り扱い
換気の良い場所で、粉塵を立てないよう取り扱ってください。
粉塵の吸入や目、皮膚などへの接触を防止するため、防塵マスク、保護眼鏡や保護手袋などの保護具を着用してください。
静電気放電の危険性を防ぐため、関係機器の接地を行ってください。 - 添加剤等の混合
添加剤等を添加して使用する場合には、必ず予備試験を行い、粘度の経時変化、着色などの異常のないことを予め確認して使用してください。 - 用具・装置のクリーニング
サラン®レジン溶液を取り扱った用具、装置などは、そのまま放置しておくと樹脂皮膜を形成して次回の使用に支障が生じる可能性がありますので、使用後直ちに適切な溶剤にて洗浄してください。
溶剤を使用する際には毒性、火災の危険性に十分配慮し、換気を行い保護具を着用して作業してください。
よくあるご質問
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を主成分とした熱可塑性樹脂であり、白色粉末状の製品です。ご使用の際は溶剤で溶き、溶液としてコートします。
フィルムのブロッキングを防止するための滑り剤や、基材との密着性を付与させる接着剤を添加します。詳細につきましてはお問い合わせください。
その他のご質問については下記よりお問い合わせください。
Latex
サランラテックス®とは
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)を主成分とした水系エマルジョンです。基材のフィルムなどに塗布することで、水蒸気バリア・酸素バリアなど優れた特性を発揮します。
